keyboard_arrow_right地域と文化keyboard_arrow_right地域メディアの役割とは?住民・関係人口・次世代をつなぐ情報発信
地域と文化
地域メディアの役割とは?住民・関係人口・次世代をつなぐ情報発信

地域メディアというと、観光情報、イベント、飲食店、新しい施設などを紹介する媒体が思い浮かびます。
地域外の人へ魅力を伝えることは、大切な役割です。
しかし、地域メディアの読者は観光客だけではありません。
地域で暮らす人、地域を離れた人、仕事や活動を通して関わる人、これから地域を知る次の世代にも必要とされます。
地域メディアは、情報を外へ発信するだけではなく、地域の内と外をつなぎ、関わりを育てる場所として設計できます。
地域メディアの役割
地域メディアには、主に次の役割があります。
地域を知る
自然、歴史、産業、文化、暮らし、人の活動を整理し、地域への理解を深めます。
地域の現在を伝える
新しい取り組み、事業、イベント、課題、変化を継続的に発信します。
地域の記録を残す
出来事や人の経験を一時的なお知らせで終わらせず、後から読み返せる記録として蓄積します。
地域の人をつなぐ
異なる地区、世代、業種、活動を紹介し、互いを知る入口をつくります。
地域外の人との関わりをつくる
訪問、購入、仕事、学び、支援、参加など、地域と継続して関わる方法を伝えます。
地域外へのPRだけにしない
外部へ地域の魅力を伝えることだけを目的にすると、地域で暮らす人にとって、自分たちとは関係のない媒体になることがあります。
観光客に人気の場所だけが紹介され、住民の日常や地域課題が見えなくなることもあります。
地域メディアでは、外部の人に見せたい情報と、地域の人が知りたい情報の両方を扱います。
他の地区で行われている活動
地域企業の仕事や技術
学校や若い世代の取り組み
高齢者が持つ記憶や知恵
地域の制度や支援
担い手を募集している活動
地域が抱えている課題
新しく始まった事業
住民が地域をあらためて知ることも、地域メディアの重要な役割です。
関係人口とは
関係人口とは、移住して住民になる人でも、一度訪れるだけの観光客でもなく、特定の地域と継続的かつ多様な形で関わる人を指します。
仕事、ボランティア、イベント、学び、地域商品の購入、情報発信など、関わり方はさまざまです。[2]
内閣府は、関係人口を「特定の地域に継続的に多様な形でかかわる人」と説明しています。[1]
地域メディアは、地域を知った人が、次の関わり方を見つける入口になります。
「読む」から「関わる」までをつなぐ
地域の記事を読んでも、次に何ができるのか分からなければ、関心はその場で終わってしまいます。
記事ごとに、内容に合った次の行動を示します。
現地を訪れる
商品を購入する
イベントへ参加する
活動を支援する
事業者へ相談する
地域で働く
副業やプロジェクトへ参加する
移住や二地域居住について調べる
地域の資料や写真を提供する
記事を家族や知人へ共有する
すべての記事を問い合わせにつなげる必要はありません。
地域への理解を深める記事、訪問を促す記事、参加者を募る記事など、それぞれの役割を決めます。
離れて暮らす人にも地域を届ける
進学や就職などで地域を離れた人も、地域とのつながりを持つ可能性があります。
現在の町の様子、産業の変化、昔の写真、地域で活動する人の記事などを継続的に届けることで、離れていても地域を知ることができます。
将来戻って暮らすことだけを求めるのではなく、地域の商品を購入する、情報を共有する、経験や技術を生かすなど、さまざまな関わり方を提示します。
次の世代が地域を知る場所にする
地域で育つ子どもや若い世代が、自分たちの地域の歴史、産業、文化を十分に知る機会がない場合があります。
地域メディアに、次のような情報を蓄積します。
地域の歴史を分かりやすく解説する記事
地域企業や仕事の紹介
伝統行事や技術の記録
高齢者へのインタビュー
若い世代の活動
地域課題へ向き合う取り組み
昔と現在を比較する写真や地図
学校教育や地域学習とも連携し、若い世代が記事づくりや取材へ参加する方法も考えられます。
地域について学ぶだけでなく、自分の言葉で地域を伝える経験にもなります。
地域の人と一緒につくる
地域メディアを、運営者だけが発信する場所にしないことも重要です。
住民、事業者、学校、団体などから、情報や資料を集める仕組みをつくります。
取材したい人や場所の推薦
古写真や資料の提供
地域の出来事に関する情報
記事内容の確認
記憶や証言の追加
若い世代による取材
事業者による専門知識の提供
情報提供をそのまま掲載するのではなく、事実関係や権利を確認し、読者が理解できる内容へ編集します。
参加する人を増やすことで、地域メディア自体が地域の活動になります。
新しい情報と蓄積する情報を分ける
地域メディアでは、現在のお知らせと、長く残す記事を分けて扱います。
新しい情報
イベント、募集、営業情報、交通情報、制度変更など、日時性のある情報。
蓄積する情報
歴史、文化、産業、人、技術、暮らしなど、時間がたっても読まれる情報。
更新する情報
施設、事業、制度、地域の状況など、内容を確認しながら更新する情報。
SNSは新しい情報を届ける入口として活用し、Webメディアには背景や記録を残します。
それぞれの役割を分けることで、情報を発信しながら、地域の知識を蓄積できます。
閲覧数だけで成果を判断しない
地域メディアの成果は、ページビューやSNSのフォロワー数だけでは判断できません。
目的に応じて、次のような変化を確認します。
地域内から情報提供が増えたか
住民が記事を共有しているか
地域の商品や活動への問い合わせが増えたか
イベントや取材への参加が生まれたか
地域外の人との継続的な関わりが生まれたか
学校や地域学習で利用されたか
記録されていなかった資料や記憶が集まったか
地域内で新しい企画や連携が生まれたか
数字だけでなく、地域の中と外にどのような関係が生まれたかを確認します。
KURAが地域の内と外をつなぐ
KURAは、地域を外から紹介するだけではなく、住民が自分たちの地域を知り、地域を離れた人や関心を持つ人とも共有できるWeb専門書店をつくります。
歴史、産業、文化、暮らし、人の思いを取材し、テーマごとに本棚として整理します。
KURAを中心に、創造企画室の企画、取材、編集、デザイン、情報発信の専門性も組み合わせ、公開後も新しい情報や物語を追加します。
観光、購入、参加、仕事、学びなど、読者が地域と関わる入口まで設計し、地域の情報を継続的な関係へつなげます。
まとめ
地域メディアは、観光客へ情報を届けるだけの媒体ではありません。
地域で暮らす人が地域を知り、離れて暮らす人がつながりを保ち、地域に関心を持つ人が関わり方を見つける場所です。
新しい情報を発信しながら、歴史、産業、文化、人の経験を蓄積し、地域の内と外、現在と次の世代をつなぐことが重要です。
地域を知ることから、関わりが始まる。
住民、地域を離れた人、関係人口、次の世代が同じ地域の物語を読み、それぞれの方法で関われるWeb専門書店をつくります。
Web専門書店について相談する
CREATE WITH KURAについて
【参考文献・出典】
[1]内閣府「関係人口の創出・拡大」
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/kankei/index.html
[2]国土交通省「ライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会」
https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk3_000110.html
KURA編集部
KURAの企画・取材・編集を担う編集チームです。創造企画室と連携し、企業や地域に蓄積されてきた知識、技術、文化、人の思いを見つけ、読者が理解し、次の行動へ進める情報として届けます。
