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地域と文化
地域の歴史や文化をデジタルで残すには?デジタルアーカイブのつくり方

地域には、古い写真、地図、文書、建物、行事、仕事の道具、人の記憶など、長い時間をかけて蓄積された情報があります。
しかし、個人の家、事業者、自治体、学校、地域団体などに分散し、何がどこにあるのか分からないことも少なくありません。
紙や写真は劣化し、建物や景観は変わり、経験を語れる人も年齢を重ねていきます。
地域の歴史や文化を次の世代へ残すためには、今ある資料と記憶を確認し、デジタルで記録する必要があります。
デジタルアーカイブとは
デジタルアーカイブは、社会的、文化的、歴史的な資料をデジタル化し、整理、保存、共有、活用できる状態にする取り組みです。
対象は、文化財や公的資料だけではありません。
古写真
地図
新聞、広報誌
手紙、日記、記録文書
映像、音声
建物、町並み
祭り、伝統行事
産業、技術、道具
方言、歌、地域の音
住民の証言
現在進んでいる取り組み
地域の成り立ちを伝えるものであれば、さまざまな資料が対象になります。
内閣府のガイドラインでも、デジタルアーカイブは、社会が持つ知や文化的・歴史的資源を未来へ伝え、教育、研究、観光、地域活性化、防災などへ活用する役割が示されています。[1]
デジタル化するだけではアーカイブにならない
写真をスキャンし、Webサイトへ掲載するだけでは、後から必要な情報を探したり、正しく理解したりすることが難しくなります。
資料と一緒に、次の情報を記録します。
資料の名称
撮影・作成年
場所
写っている人物や建物
作成者、撮影者
所有者、提供者
資料の説明
関連する出来事
利用条件
確認した人
情報が不明な項目
資料そのものと、それを理解するための情報を一緒に残すことが重要です。
最初に目的と対象を決める
すべての資料を一度にデジタル化しようとすると、作業量が大きくなり、途中で止まる可能性があります。
最初に、何のために、何を残すのかを決めます。
たとえば、次のような目的があります。
地域の歴史を次世代へ残す
失われる建物や景観を記録する
伝統行事の継承に活用する
学校教育で利用する
観光客へ地域の背景を伝える
産業や技術を記録する
住民が地域を学び直す
研究や調査で利用できる状態にする
目的が決まると、収集する資料、必要な説明、公開方法を判断しやすくなります。
地域の資料を集める
自治体や公共施設
郷土資料館、図書館、学校、自治体の資料室などにある資料を確認します。
地域団体
町内会、保存会、商工会、観光協会、文化団体などが持つ記録を確認します。
企業・事業者
創業時の資料、商品、設備、仕事の写真、地域との関係を記録します。
住民
個人が保管している写真、手紙、道具、記憶には、公的資料だけでは分からない暮らしの情報があります。
現在の地域
過去の資料だけでなく、現在の町並み、仕事、行事、取り組みも記録します。
未来から見れば、現在の日常も地域の歴史になります。
人の記憶を記録する
資料が残っていても、背景を知る人がいなければ、写っている場所や出来事が分からなくなることがあります。
写真や道具を見ながら話を聞き、記憶を記録します。
どこで撮られたのか
誰が写っているのか
当時はどのような仕事をしていたのか
どのような道具を使っていたのか
季節や行事をどう過ごしていたのか
地域がどのように変わったのか
一人の記憶だけで断定せず、複数の証言や資料を照合します。
確かなことと、推測や記憶に基づくことを分けて記載します。
権利と個人情報を確認する
資料を保有していることと、Web上で自由に公開できることは同じではありません。
次の点を確認します。
写真や文章の著作権
所有者、提供者の許可
写っている人の肖像やプライバシー
個人情報
住所や生活場所が特定される情報
信仰、墓地、祭事など慎重な扱いが必要な情報
商用利用や二次利用の可否
公開できない資料も、非公開の記録として保存できる場合があります。
「保存する範囲」と「一般公開する範囲」を分けて設計します。
探せる構造をつくる
資料が増えるほど、分類と検索が重要になります。
たとえば、次のような探し方を用意します。
年代から探す
地域や地区から探す
地図から探す
人物から探す
産業から探す
建物から探す
行事から探す
テーマから探す
関連する記事から探す
一つの資料を複数のテーマへ関連づけることで、地域の歴史や文化のつながりが見えるようになります。
保存と活用を分けない
資料を保存するだけでは、地域の中で活用されにくい場合があります。
収集した情報を、目的に合わせて展開します。
学校の地域学習
展示やイベント
観光案内
町歩き
地域商品の開発
出版物
映像や音声コンテンツ
防災や復興の記録
住民参加型の調査
Web記事や特集
文化庁が運営する「文化遺産オンライン」も、全国の文化遺産に関する情報を集約し、インターネット上で検索、閲覧できる入口として運営されています。[2]
保存した情報が読まれ、学ばれ、新しい活動へ利用されることで、アーカイブの価値が広がります。
継続して管理できる仕組みをつくる
デジタルアーカイブは、公開した時点で完成するものではありません。
新しい資料の追加、説明の修正、権利情報の確認、データのバックアップなどが必要です。
誰が情報を追加するか
誰が事実関係を確認するか
どこに元データを保存するか
どの形式でデータを残すか
公開範囲をどう管理するか
修正履歴をどう残すか
将来のシステム変更にどう備えるか
Webサイトの表示だけでなく、元となる画像、音声、映像、文書、管理情報を継続して保存できる体制をつくります。
KURAが「読めるアーカイブ」に編集する
KURAでは、資料を保管するだけでなく、地域を知らない人にも背景が伝わるように編集します。
古写真、地図、文書、人の証言、現在の写真を結びつけ、地域の歴史、産業、文化、暮らしをテーマごとに読めるWeb専門書店へ形にします。
KURAを中心に、創造企画室の調査、取材、編集、デザインの専門メンバーとも連携し、資料の収集から分類、原稿制作、公開後の追加・更新まで取り組みます。
地域の情報を、保存されているだけの資料から、住民や次の世代が読んで活用できる情報資産へ育てます。
まとめ
地域の歴史や文化をデジタルで残すことは、古い資料をスキャンして掲載することだけではありません。
資料の名称、年代、場所、人物、背景、権利情報を整理し、後から探し、理解し、活用できる状態にする必要があります。
過去の資料と現在の記録、人の記憶をつなぎ、継続して追加・更新できる仕組みをつくることが、地域の価値を未来へ残すことにつながります。
地域の記憶を、次の世代が読める形へ。
古写真、地図、文書、建物、仕事、人の証言を整理し、地域の歴史や文化を学び、活用できるWeb専門書店として残します。
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CREATE WITH KURAについて
【参考文献・出典】
[1]内閣府「デジタルアーカイブ活動のためのガイドライン」
https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/pdf/guideline_2023.pdf
[2]文化庁「文化遺産オンライン」
https://online.bunka.go.jp/
[3]内閣府「デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン」
https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/titeki2/digitalarchive_kyougikai/guideline.pdf
KURA編集部
KURAの企画・取材・編集を担う編集チームです。創造企画室と連携し、企業や地域に蓄積されてきた知識、技術、文化、人の思いを見つけ、読者が理解し、次の行動へ進める情報として届けます。
