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2026/7/14

地域と文化

地域の歴史や文化をデジタルで残すには?デジタルアーカイブのつくり方

地域の写真、文書、証言、技術を未来へ残すKURAのステンドグラス調タイポグラフィ

地域には、古い写真、地図、文書、建物、行事、仕事の道具、人の記憶など、長い時間をかけて蓄積された情報があります。

しかし、個人の家、事業者、自治体、学校、地域団体などに分散し、何がどこにあるのか分からないことも少なくありません。

紙や写真は劣化し、建物や景観は変わり、経験を語れる人も年齢を重ねていきます。

地域の歴史や文化を次の世代へ残すためには、今ある資料と記憶を確認し、デジタルで記録する必要があります。

デジタルアーカイブとは

デジタルアーカイブは、社会的、文化的、歴史的な資料をデジタル化し、整理、保存、共有、活用できる状態にする取り組みです。

対象は、文化財や公的資料だけではありません。

  • 古写真

  • 地図

  • 新聞、広報誌

  • 手紙、日記、記録文書

  • 映像、音声

  • 建物、町並み

  • 祭り、伝統行事

  • 産業、技術、道具

  • 方言、歌、地域の音

  • 住民の証言

  • 現在進んでいる取り組み

地域の成り立ちを伝えるものであれば、さまざまな資料が対象になります。

内閣府のガイドラインでも、デジタルアーカイブは、社会が持つ知や文化的・歴史的資源を未来へ伝え、教育、研究、観光、地域活性化、防災などへ活用する役割が示されています。[1]


デジタル化するだけではアーカイブにならない

写真をスキャンし、Webサイトへ掲載するだけでは、後から必要な情報を探したり、正しく理解したりすることが難しくなります。

資料と一緒に、次の情報を記録します。

  • 資料の名称

  • 撮影・作成年

  • 場所

  • 写っている人物や建物

  • 作成者、撮影者

  • 所有者、提供者

  • 資料の説明

  • 関連する出来事

  • 利用条件

  • 確認した人

  • 情報が不明な項目

資料そのものと、それを理解するための情報を一緒に残すことが重要です。


最初に目的と対象を決める

すべての資料を一度にデジタル化しようとすると、作業量が大きくなり、途中で止まる可能性があります。

最初に、何のために、何を残すのかを決めます。

たとえば、次のような目的があります。

  • 地域の歴史を次世代へ残す

  • 失われる建物や景観を記録する

  • 伝統行事の継承に活用する

  • 学校教育で利用する

  • 観光客へ地域の背景を伝える

  • 産業や技術を記録する

  • 住民が地域を学び直す

  • 研究や調査で利用できる状態にする

目的が決まると、収集する資料、必要な説明、公開方法を判断しやすくなります。


地域の資料を集める

自治体や公共施設

郷土資料館、図書館、学校、自治体の資料室などにある資料を確認します。

地域団体

町内会、保存会、商工会、観光協会、文化団体などが持つ記録を確認します。

企業・事業者

創業時の資料、商品、設備、仕事の写真、地域との関係を記録します。

住民

個人が保管している写真、手紙、道具、記憶には、公的資料だけでは分からない暮らしの情報があります。

現在の地域

過去の資料だけでなく、現在の町並み、仕事、行事、取り組みも記録します。

未来から見れば、現在の日常も地域の歴史になります。


人の記憶を記録する

資料が残っていても、背景を知る人がいなければ、写っている場所や出来事が分からなくなることがあります。

写真や道具を見ながら話を聞き、記憶を記録します。

  • どこで撮られたのか

  • 誰が写っているのか

  • 当時はどのような仕事をしていたのか

  • どのような道具を使っていたのか

  • 季節や行事をどう過ごしていたのか

  • 地域がどのように変わったのか

一人の記憶だけで断定せず、複数の証言や資料を照合します。

確かなことと、推測や記憶に基づくことを分けて記載します。


権利と個人情報を確認する

資料を保有していることと、Web上で自由に公開できることは同じではありません。

次の点を確認します。

  • 写真や文章の著作権

  • 所有者、提供者の許可

  • 写っている人の肖像やプライバシー

  • 個人情報

  • 住所や生活場所が特定される情報

  • 信仰、墓地、祭事など慎重な扱いが必要な情報

  • 商用利用や二次利用の可否

公開できない資料も、非公開の記録として保存できる場合があります。

「保存する範囲」と「一般公開する範囲」を分けて設計します。


探せる構造をつくる

資料が増えるほど、分類と検索が重要になります。

たとえば、次のような探し方を用意します。

  • 年代から探す

  • 地域や地区から探す

  • 地図から探す

  • 人物から探す

  • 産業から探す

  • 建物から探す

  • 行事から探す

  • テーマから探す

  • 関連する記事から探す

一つの資料を複数のテーマへ関連づけることで、地域の歴史や文化のつながりが見えるようになります。


保存と活用を分けない

資料を保存するだけでは、地域の中で活用されにくい場合があります。

収集した情報を、目的に合わせて展開します。

  • 学校の地域学習

  • 展示やイベント

  • 観光案内

  • 町歩き

  • 地域商品の開発

  • 出版物

  • 映像や音声コンテンツ

  • 防災や復興の記録

  • 住民参加型の調査

  • Web記事や特集

文化庁が運営する「文化遺産オンライン」も、全国の文化遺産に関する情報を集約し、インターネット上で検索、閲覧できる入口として運営されています。[2]

保存した情報が読まれ、学ばれ、新しい活動へ利用されることで、アーカイブの価値が広がります。


継続して管理できる仕組みをつくる

デジタルアーカイブは、公開した時点で完成するものではありません。

新しい資料の追加、説明の修正、権利情報の確認、データのバックアップなどが必要です。

  • 誰が情報を追加するか

  • 誰が事実関係を確認するか

  • どこに元データを保存するか

  • どの形式でデータを残すか

  • 公開範囲をどう管理するか

  • 修正履歴をどう残すか

  • 将来のシステム変更にどう備えるか

Webサイトの表示だけでなく、元となる画像、音声、映像、文書、管理情報を継続して保存できる体制をつくります。


KURAが「読めるアーカイブ」に編集する

KURAでは、資料を保管するだけでなく、地域を知らない人にも背景が伝わるように編集します。

古写真、地図、文書、人の証言、現在の写真を結びつけ、地域の歴史、産業、文化、暮らしをテーマごとに読めるWeb専門書店へ形にします。

KURAを中心に、創造企画室の調査、取材、編集、デザインの専門メンバーとも連携し、資料の収集から分類、原稿制作、公開後の追加・更新まで取り組みます。

地域の情報を、保存されているだけの資料から、住民や次の世代が読んで活用できる情報資産へ育てます。


まとめ

地域の歴史や文化をデジタルで残すことは、古い資料をスキャンして掲載することだけではありません。

資料の名称、年代、場所、人物、背景、権利情報を整理し、後から探し、理解し、活用できる状態にする必要があります。

過去の資料と現在の記録、人の記憶をつなぎ、継続して追加・更新できる仕組みをつくることが、地域の価値を未来へ残すことにつながります。


地域の記憶を、次の世代が読める形へ。

古写真、地図、文書、建物、仕事、人の証言を整理し、地域の歴史や文化を学び、活用できるWeb専門書店として残します。

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CREATE WITH KURAについて

【参考文献・出典】

[1]内閣府「デジタルアーカイブ活動のためのガイドライン」
https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/titeki2/digitalarchive_suisiniinkai/pdf/guideline_2023.pdf

[2]文化庁「文化遺産オンライン」
https://online.bunka.go.jp/

[3]内閣府「デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン」
https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/titeki2/digitalarchive_kyougikai/guideline.pdf

  • KURA編集部

    KURAの企画・取材・編集を担う編集チームです。創造企画室と連携し、企業や地域に蓄積されてきた知識、技術、文化、人の思いを見つけ、読者が理解し、次の行動へ進める情報として届けます。

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