KURA

Web専門書店で
価値を残し、物語を育てる。

2026/7/29

地域と文化

地域の魅力を発信するには?観光情報だけで終わらないコンテンツ設計

観光情報だけでなく歴史・産業・文化・暮らしから地域の魅力を伝えるKURAのステンドグラス調タイポグラフィ

地域の魅力を発信しようとすると、観光スポット、グルメ、イベント、特産品などの紹介が中心になりがちです。

訪問を検討する人にとって、これらは必要な情報です。

しかし、その地域がどのような歴史を持ち、どのような産業や暮らしがあり、そこで生きる人が何を大切にしているのかまでは、情報の一覧だけでは伝わりません。

地域の魅力を長く届けるためには、観光情報を並べるだけでなく、地域を理解するための背景まで編集する必要があります。

地域の魅力は、観光スポットだけではない

地域の魅力は、有名な場所や商品だけに存在するものではありません。

たとえば、次のようなものも地域を形づくっています。

  • 地形、気候、自然環境

  • 農業、漁業、製造業、商業などの産業

  • 食材、料理、加工技術

  • 建物、町並み、道、港

  • 祭り、行事、風習

  • 受け継がれてきた技術や知恵

  • 働く人、暮らす人の経験

  • 地域が抱えている課題

  • 新しく始まっている取り組み

  • これから地域に関わる人の思い

一つひとつは日常の風景に見えても、背景や関係をたどることで、その地域にしかない価値が見えてきます。


観光情報と地域を理解する情報を分ける

地域のWebサイトに必要な情報は、大きく分けて三つあります。

1.訪問に必要な情報

交通、営業時間、料金、宿泊、飲食、施設、イベントなど、実際に地域を訪れるための情報です。

2.地域を深く知る情報

歴史、文化、産業、自然、技術、暮らし、人の思いなど、その地域がどのように成り立っているかを理解する情報です。

3.地域と関わるための情報

地域の商品を購入する、イベントに参加する、仕事をする、学ぶ、支援する、事業を始めるなど、訪問後や閲覧後の行動につながる情報です。

観光案内だけで終わらせず、この三つをつなぐことで、読者は地域を知り、自分との関わり方を考えられるようになります。


最初に「誰へ伝えるか」を整理する

地域の情報を見る人は、観光客だけではありません。

  • 初めて地域を知る人

  • 訪問を検討している人

  • 以前暮らしていた人

  • 地域で生活している人

  • 地域で働いている人

  • 子どもや若い世代

  • 事業や活動に関わりたい人

  • 移住や二地域居住を考えている人

  • 地域の商品や文化に関心がある人

読者によって、必要な入口と情報の深さは異なります。

すべての人に同じ情報を見せるのではなく、読者が置かれている状況に合わせて、読む順番と導線を設計します。


地域の魅力を伝える5つの視点

1.なぜ、ここにあるのか

商品、産業、文化、町並みが生まれた理由を、地形、気候、歴史などと結びつけて伝えます。

2.誰が受け継いでいるのか

地域の価値を支えている人、技術を継承している人、新しい挑戦を始めた人を取材します。

3.暮らしとどうつながっているのか

観光客向けの特別な体験だけでなく、住民の日常、仕事、季節ごとの営みまで伝えます。

4.現在、何が変わっているのか

人口減少、担い手不足、産業の変化などの課題と、それに向き合う取り組みを記録します。

5.これから、どう関われるのか

訪問、購入、参加、仕事、学び、支援など、読者が地域と関わるための具体的な入口を示します。


ランキングだけに依存しない

「人気スポット10選」「おすすめグルメランキング」といった企画は、分かりやすい入口になります。

一方で、順位や話題性だけを基準にすると、まだ知られていない場所や、小さな営み、地域の日常が見えにくくなります。

地域の価値は、人気の高さだけで決まるものではありません。

なぜその場所が残っているのか。地域の人にとってどのような意味を持つのか。どのような課題を抱えながら続いているのか。

こうした背景を加えることで、情報は単なる紹介から、地域を理解するための判断材料へ変わります。


住民の暮らしを置き去りにしない

地域の魅力を外へ発信するときは、訪れる人だけでなく、そこで暮らす人への影響も考える必要があります。

観光庁の「日本版持続可能な観光ガイドライン」でも、観光客と地域住民の双方に配慮し、中長期的に地域を管理する重要性が示されています。[1]

写真撮影、私有地への立ち入り、混雑、ごみ、地域の習慣など、訪問前に知ってほしいことも発信します。

地域の暮らしや文化を消費されるものとして見せるのではなく、訪問者が理解し、尊重できる情報を整えることが重要です。


地域の情報を複数の形式で届ける

地域の魅力は、一つの長い文章だけで伝える必要はありません。

人物記事

地域で働く人、暮らす人、活動する人の経験や思いを伝える。

産業・技術記事

農業、漁業、製造、加工、商業などの背景と技術を伝える。

歴史記事

建物、産業、出来事、人物などを時間の流れに沿って残す。

地図

場所と場所の関係、産業の広がり、歴史の痕跡を視覚的に伝える。

写真・映像

風景だけでなく、仕事、暮らし、行事、技術の過程を記録する。

音声・証言

高齢者や経験者の記憶、方言、祭りの音、仕事の声を残す。

複数の形式を組み合わせることで、読者は自分の関心に合った入口から地域を知ることができます。


発信する情報と残す情報をつなぐ

イベントや季節情報は、日時が過ぎれば読まれにくくなることがあります。

一方で、イベントが始まった背景、関わった人、地域にとっての意味を記録すれば、終了後も読める情報になります。

新しい情報を発信するだけでなく、その出来事から地域の歴史や文化へ進める導線をつくります。

日々の発信と、長く残す情報を分けながらつなぐことが、地域メディアを育てるために必要です。


KURAが地域を一つのWeb専門書店にする

KURAでは、観光情報だけを並べた地域紹介サイトではなく、地域の自然、歴史、産業、文化、暮らし、人の記憶をテーマごとに読めるWeb専門書店をつくります。

地域の資料や記録を確認し、住民、事業者、行政、地域団体などへ取材します。

KURAを中心に、創造企画室の専門メンバーとも連携しながら、企画、編集、原稿、写真、映像、デザイン、Web制作、公開後の運営までを行います。

外から見た魅力だけでなく、そこで暮らす人が自分たちの地域をあらためて知り、次の世代へつなげられる場所へ育てます。


まとめ

地域の魅力を発信することは、観光スポットやグルメを多く掲載することではありません。

自然、産業、文化、暮らし、人の思いがどのようにつながっているかを整理し、読者が理解できる順番で届けることです。

訪れる人と暮らす人の双方を考え、発信する情報と残す情報をつなぐことで、地域の価値を長く伝えられるようになります。


観光情報だけでは見えない、地域の価値を伝える。

地域の自然、歴史、産業、文化、暮らし、人の思いを取材し、訪れる人にも暮らす人にも読まれるWeb専門書店として編集します。

Web専門書店について相談する

CREATE WITH KURAについて

【参考文献・出典】

[1]観光庁「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/jizoku_kankochi/jizokukano_taisei/torikumi/jsts-d.html

[2]観光庁「持続可能な観光の推進に向けて」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/responsible-traveler/jpn.html

[3]観光庁「持続可能な観光地域づくりに向けた取組」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/jizoku_kankochi/jizokukano_taisei/torikumi.html

  • KURA編集部

    KURAの企画・取材・編集を担う編集チームです。創造企画室と連携し、企業や地域に蓄積されてきた知識、技術、文化、人の思いを見つけ、読者が理解し、次の行動へ進める情報として届けます。

  • ↑